だからわたしはメイクする
劇団雌猫の「だからわたしはメイクする」を読んで、わたしのメイクする理由ってなんだろう?と振り返ったおはなし。
わたしがメイクをするきっかけは三段階ある。ひとつめは母親からパリの香水をもらったこと。このかわいい香水瓶と可憐な香りに見合う女になりたいと思ったからだ。
ふたつめは大学時代の友人たちがあまりにも可愛かったこと。写真をみるたびに落ち込んだものだ。
みっつめは入社してすぐ、「せっかくこの会社にはいったなら安くお化粧品買って綺麗にならなきゃもったいない!」と先輩にいわれたこと。
中でもみっつめが本当に今のメイクへの思いを産むきっかけになったと言ってもいい。
わたしは第一志望の会社ではない会社で働き始め、今後やりたい職種があるわけでもなく、毎日漫然と過ごしていた。
配属されたお店は化粧品の売り上げが全国3位に入るお店で、BAの先輩も凄腕として有名だった。大して美人でもない、そんなにメイクに興味もないわたしからすると眩しかった。
そんな先輩が、わたしの肌悩みや似合うイメージで、スターターキットを選びプレゼントしてくれた。
「せっかくこの会社にはいったなら安くお化粧品買って綺麗にならなきゃもったいない!」
その時にそう言われた。
その化粧品で肌荒れも収まり、あんなに小さくて嫌いな目や白すぎて血色の悪い顔が、化粧品で見れる顔になった。
あ、単純なことだけど、こんなことでも毎日楽しくなるんだな、と本気で思った。
以降、わたしのメイクは変化する。
洗顔はアンドフェイス、土台美容液はソフィーナip、化粧水はエリクシール、下地のdプログラムで色を統一してマキアージュをのせる。色が白すぎるので血色をよくするためにチークは必須でコフレドール、口紅はマットなタイプがちょうどいい資生堂かぷるぷるにするにはTHREEがおすすめ。アイシャドウはアディクションで強気に。奥二重なのでピンク系よりはブラウン系で、差し色にピンクやオレンジ、緑など。
ポーチにいっぱい、かがみのまえにいっぱい、並べる。
わたしはわたしに自信がない。けれど、メイクをすると、おしゃれをして街を歩く権利を得たように感じる。前を向いて歩く、前を向いて恋をする、前を向いて生きていく。
わたしはわたしのために。
だからわたしはメイクする。